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【個展】 「ハポン イ メヒコ 日本⇆メキシコ、行き交う空想」2024.4

町田駅前、パリオビル3階のギャラリーでの個展を行いました。

 

パリオでは「パリコレギャラリー」と称して様々なジャンルのアーティストの企画展示を行っています。

今回はその第31弾としてお声がけ頂きました。

小林大悟の町田パリオでの個展
展示会場中央
町田パリオ
パリオビルの入り口。レトロな雰囲気
小林大悟の町田パリオ個展のポスター
ポスタービジュアル

展示概要

タイトルに「メヒコ(スペイン語でメキシコ)」とあるように、2023年秋に訪れたメキシコでの経験をテーマに作品を展示しました。

 

私は特に現地の考古物、民芸品、それからペンキの剥がれた壁などに創作意欲を掻き立てられました。

これらのメキシコで見つけたものから想像を膨らませて作った新作の他、過去作も整理し「これは共鳴できるかも」と感じた作品も展示しました。大幅加筆してほぼ新作になったものも。

 

結果、作品56点+グッズ。作品数も非常に多くなりました。

メキシコ経験に合わせて制作が捗ったというよりは、元々メキシコ的な感性というか、表現の方向性近かった印象です。

(展示をすると同様のご意見をたくさんいただきました)

 

 

タイトル内に「空想」と入れたのにも理由があります。

メキシコ要素は入りつつも、あくまで今までの延長線上で制作した「空想的な」作品を並べたかったからです。

なので、現地での体験記や、メキシコの魅力を伝えようとするような要素は意図的に避けました。

 

私のメキシコでの滞在期間は2週間程度。作品を通じてメキシコを語ろうとしてもきっと強張って無理が生じる。

作品の中に骸骨、死者の日、食文化などの観光的に知られた要素も皆無です。

私が創作的にメキシコで受けた刺激は偏っており、日本に住むメキシコ好きな方、メキシコに興味のある方が観たいものはズレが出てしまいます。普段通りに制作してメキシコでの影響がにじみ出る方が結果として「偏愛的なメキシコ」が伝わると感じました。

小林大悟の日本画展示作品
小林大悟の日本画絵画作品
新作の一枚「強風」
小林大悟の日本画展示作品
銀箔を黒く焼いた上に描いた作品
小林大悟の日本画展示作品
スライド映像も上映。現地でみつけた民芸品や考古物が中心。

反響

 

1週間という短い期間ながら、大変多くの方にご来場頂きました。

ベビーカー連れの方からご老人まで、老若男女に観て頂けた貴重な経験でした。

 

これまでの展示と特に手応えの異なる点は、地元や近隣の方々のご来場も非常に目立った事です。

市内中に展示ポスターやチラシを設置して頂けたお陰でもあります。

また、ビルがバスロータリー前なので、展示看板を見かけた方が、バスを待つ間に立ち寄られるといったケースもありました。

 

在廊していると親子で絵の鑑賞を楽しまれる様子も何度か見かけました。

小作品を並べた中央卓の高さが子ども目線でも観やすかったようです。絵本作品も3冊置いていたので、そちらも読まれていました。

 

私の作品は動物(のようなもの)が描かれているため親しみをもたれやすいものの、

わかりやすいかというと、そうではないためふらっと来た方々が程よく「なんだろう?」と思いながら鑑賞されていました。

おもねることもなく、つきはなすこともなく、意図せず場所と作品とが噛み合っていたと感じました。

小林大悟の展示でのドローイング作品
ドローイングも低い位置まで飾っていたので観やすかったかもしれません。

大津絵 or 町田絵 or メキシコ絵

今回、メキシコで購入した「アマテ」という樹皮の紙に描いた作品も展示しました。

 

実は町田市は国内有数の「大津絵」をコレクションしている市です。私は大学生時代に町田の博物館(現在は閉館)まで大津絵の展示を観に行った思い出があります。

 

大津絵は今でこそ芸術的価値が認められていますが、元々は安い紙に安い絵の具を用いて、いわゆる「絵師」ではない人々の描いたお土産としての民画。

私がメキシコで刺激を受けたものも、現地の民芸品だったことに(勝手に)縁を感じたので何か作ろうと思い至りました。

そこで、メキシコでは民画にも使われていたアマニ紙に、同じくメキシコで見つけた剥がれた壁等からイメージを膨らませ、空想のいきものを描きました。使用した絵の具も日本画材の中でも程度が低いものをあえて使用。大津絵で用いられていたものに近いです。

 

アマニ紙の程よい厚みと、塵の混ざったムラ加減が肌にあい、非常に筆がノりました。和紙にありそうでなかった紙です。

イラストや絵本を作る感覚に似ていて面白かったので、今後も広げていけたらと考えています。

小林大悟のメキシコのアマテ紙を使った大津絵リスペクトの絵
イメージの元になった「剥がれ」写真も展示
小林大悟のメキシコのアマテ紙を使った大津絵リスペクトの絵
墨と泥絵の具で少し即興的に描いています。

パリコレッ!ギャラリー vol.31 小林大悟「ハポン イ メヒコ 日本⇆メキシコ、行き交う空想」

開催:2024年4月1日(月)〜8日(月)

 

展示概要

https://www.pario-machida.com/topics/event_archive/14303

 

インタビュー

https://www.pario-machida.com/topics/machida/14529